第1回「相関設計」若手コロキウムを6/20(金)にオンライン開催します。
第1回「相関設計」若手コロキウム
〇 6/20(金)16:00-, オンライン(下記から事前登録をお願いします)
https://zoom.us/meeting/register/FnDDTMcdSrShJPkfXrlluw
〇プログラム:
16:00-16:35 「量子凝縮相における量子幾何学:平坦バンド系を超えて」
北村 泰晟 (理化学研究所創発物性科学研究センター)
周期結晶中のBloch電子の性質はそのエネルギー分散とBloch波動関数により特徴づけられる。従来、
Bloch波動関数の性質はトポロジカル物質科学の文脈で研究が行われていたが、トポロジーを包含す
るより広い量子幾何学的な性質がBloch波動関数には内在しており、これが種々の物理現象に現れる
ことが徐々に明らかとなりつつある。本発表では、中でも量子凝縮相における量子幾何学について発
表を行う。まず、主要な研究対象である平坦バンド系の解説から初め、その後平坦バンドを持たない
系での量子幾何効果について最近の進展について紹介する[1,2,3]。
[1] T. Kitamura et al., Phys. Rev. Research 4, 023232 (2022).
[2] T. Kitamura et al., Phys. Rev. Lett. 132, 036001 (2024).
[3] T. Kitamura et al., arXiv:2505.01089 (2025).
16:35-17:10 「フラストレーションを内包する希土類化合物YbCuS2の磁気構造と準粒子励起」
堀 文哉(東北大学大学院理学研究科)
近年、希土類化合物を舞台とした磁気フラストレーションの研究が注目されている。磁性半導体
YbCuS2 は、希土類のYbがジグザグ鎖を形成しており、磁気フラストレーションの効果が期待でき
る。最近、我々はYbCuS2に対して核四重極共鳴(NQR)測定を行い、秩序モーメントが縮んだ非整合
反強磁性秩序や新奇な中性準粒子の存在を明らかにした [1, 2]。本セミナーでは、YbCuS2における
特異な磁気状態の起源について議論する。
[1] F. Hori et al., Commun. Mater. 4, 55 (2023).
[2] F. Hori et al., arXiv:2412.17575.